生物多様性わかものネットワーク   グローカルプロジェクト

地域で行われている環境配慮事例をユースが発信していくブログです

”生物多様性カフェ”に行ってきました。

 2018/1/21、UR都市機構主催の”生物多様性カフェ”に行ってきました。

生物多様性カフェ。

生物多様性をメインテーマにするユースとしてはとても嬉しい名前です。

気になる内容はこちら。

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クラフトワークショップです!!

この蝶々は画用紙だけで作られています。細かくて綺麗ですね!

開催地はここ。虎ノ門にある「URTRA」です。

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虎ノ門ということもあり、とてもおしゃれです。

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開催されたこのカフェのコンセプトは、

「都市においても生物多様性が求められる現代社会で、多くの方に都市に住むいきものに親しみを持っていただく」

という内容でした。

このコンセプトに沿って、都市の生物を研究している、中央大学

須田真一氏

いきもののクラフトワークショップを展開している

荻本央氏

上記の2方による講演とワークショップが行われました。

実は生物の多様性が高い街、東京!

今回のカフェの前半は須田氏による都市に住むいきものについて、チョウを事例に講演が行われました。

東京というとビル街を想像する人が多いと思われます。実際、日本の大都市である東京は1km ×1kmの範囲になんと約1万人の人々が住むほどの人口密集地だそうで、埼玉や神奈川まで含める首都圏だと、世界1の人口密集地とされています。

そんな環境の中で、生き物は住めるのか?

これが今回テーマにあたることだと思いますが、

なんと東京は世界的に最も生物多様性が豊富な都市と言えるそうです!

 

今回の講演で紹介されたチョウを例にすると、イギリス全土では約60の種数のチョウが生息しているのに比べて、日本では全土で約270種が生息しており、約180種が固有種、本州だけでも168種の生息が確認されるようです。

 

また日本は、原生的な自然が改変されたのにも関わらず、高い生物の多様性をたもつ、"生物多様性ホットスポット"に日本全体で指定されており、このように国全体で生物多様性ホットスポットに指定されている地域は他に存在しないとされています。

 

須田氏はなぜ東京に多様な種の生物が存在するのかという点について、皇居を中心に、半径5km以内に、自然教育園明治神宮、代々木公園、新宿御苑など大規模な緑地と小規模な緑地が点在していることを挙げました。

 

また、住宅街の道端にある鉢植えなどが、チョウには絶好の繁殖場所になっており、そういった細かな緑が生き物の住む場所に一役買っていることを指摘しました。

実際に須田氏は自宅のベランダに簡易のビオトープを設置しており、小規模に関わらず、多様なトンボを中心とする生物が飛来してきている事例を紹介しました。

エッジとコアの重要性

このように、古くから存在する大規模緑地と、それぞれの大規模緑地を繋ぐ緑の空間が存在し、街中のちょっとした場所にも生き物にとって有益な空間が存在したこと、また日本人が古くから自然や生き物と共生してきた文化などが東京の生物多様性を支えていることがわかります。

皇居のような大規模緑地ももちろん大切ですが、エッジ(周辺)とコア(中心)の関係性が大切であり、その両方をうまく繋げて保全していくことが今回の講演会のポイントであったと感じます。

作って知る!都市の身近ないきものたち

後半の部は先ほど紹介したクラフトを講師の荻本氏によるワークショップで作成しました。

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 ワークショップは荻本氏の軽快なトークからはじましました。

「カッターは一切使わせません!」

そう言って渡されたクラフトの材料がこちら。

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 全て種類ごとに綺麗に袋分けにして入っています。

全て手作りというのがすごいですね。

あとはこれを糊で丁寧にペタペタと貼っていく作業でした。

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UR都市機構ということで、背景には建物と鳥が住む木が描かれています。

こちらはシジュウカラコゲラ

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作り方も簡素に示されていてわかりやすいです。

体験に基づいた説明・想像力を掻き立てるワークショップ

シジュウカラは頭の後ろが黄緑色になっており、特徴がしっかりと捕らえられています。また、作業中には、荻本氏より「コゲラってどんなところに巣を作るか知っていますか?」「僕が観察してると、結構古びた木に穴を作っているんですよね」など、実際に観察をした経験を基にした知識をたくさん聞くことができました。

作業しながら、作っている鳥がどんなところに住んでいるいるのか、この鳥のパーツにはこんな意味があるのか、想像力が掻き立てられ、実際に作っている鳥を見てみたいなという感覚になりました。

以下が完成品。

コゲラがつついてるところは古木を意識して色が変わっています。

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それにしても可愛いデザインです。

店内に飾ってあったクラフトは、風を受けると実際に飛んでいるようでした。

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また、今回の講演の内容に合わせて、蝶々のクラフトも準備されていました。

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こちらも蝶々の模様が細かく再現されています。

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羽も表裏がしっかりと区別されており、こだわりが見受けられます。

 身近な自然を感じるきっかけ

以上が今回の生物多様性カフェの内容でした。

今回の感想としては、もっと”身近な自然”に目を向けてどのように守っていくかを考えさせられたという点になると思います。

”コンクリートジャングル”と形容される東京の街ですが、私たちが思っている以上にたくさんのいきものが生息する貴重な環境であること。そこを知ることから全てがはじまると感じます。

今回のようなクラフトワークショップはその入り口として大きな役割を果たすのではないでしょうか。

このブログを読んでくださった方にもぜひ体験してほしいと思います。

詳細はHPを参照

 

最後にUR都市機構の皆様、須田さん、荻本さん、大変お世話になりました。

  

生物多様性わかものネットワーク グローカルプロジェクト

 

参照:

 1,生物多様性ホットスポット:コンサベーションインターナショナル ホームページ

(2018/1/21参照)

https://www.conservation.org/global/japan/priority_areas/hotspots/Pages/overview.aspx

 2,よそ見屋ぷろここ ホームページ(2018/1/21参照)

http://purokoko.moo.jp/about.html